人には、動物たちや、山や、神々の痛みさえ、「そんなもの関係ないよ」と切り捨てるのではなく、「自然を大切にしましょう」とアタマで考えるのでもなく、自分のお腹の中にある、正直な痛みとして、「ああ、これはひどい」と感じとる。(中略)
つまり、ある人が、貧しいものなどをみて、「ああ、見ているこっちのお腹の仲間で痛むようだ。どうにかしなくては。」と思うと、手を差しのべずにはいられなくなって、その差しのべられた手によって、人と、まわりの者や自然が、つながっていくのでした。
そうやって人をまわりの者や自然とつなげている「親切」を、人の心の中から追い出していくために、灰色は、言葉をつくるのが上手い手下たちを使って、1つの言葉をつくり上げました。
それは、「自己責任」という言葉でした。
「自己責任」という言葉を心に叩きこまれると、人は、苦しんでいる人を見かけても、「あそこに苦しんでいる人がいるが、あれは自己責任で、私が感じる必要はない苦しみだ」と思うようでした。
ということは、「自己責任」という考え方を人の心に叩き込むことによって、まるで除草剤を撒くように、雑草のように生えてくる「親切」という行いを、根絶やしにすることができるはずでした。
けれど、人は、長いあいだ、貧しい人や、死者や、動物たちの痛みを、いつも感じとって、親切をして、生きてきたのでした。その親切を失って、人がどうやって生きていくかは、「自己責任」という言葉をつくった手下たちにもわかりませんでした。
小沢健二「うさぎ!」第三話より
「うさぎ!」を読む会 (4)
3月28日(土)15時00 分より
オーガニックカムー(松戸市日暮1-10-5)camoo.org
地域のことをカジュアルに話しあい学びあう場を、とスタ
3人の少年少女が「灰色」に立ち向かっていく寓話を読み
この会では、毎月一回一話を、みんなで少しずつ朗読して
今回は「第四話」を読んでいきます。
(途中からのご参加も大歓迎です。)
素敵なオーガニックカフェで、ゆったりと、
感じたことを、話しあっていきましょう。
「うさぎ!」を読んだことのある人もない人も、
いっしょにやっていきましょう。
(「うさぎ!」をお持ちの方は持ってきてください。
参加・無料
(おいしい飲み物、食べ物を食べながら、オーガニック
主催・まつどではじめる、こころとからだと社会のレッス